列島古建築紀行 第48回

  
写真・文 宮本和義

 

撮影 2013.01  

茄子作の町並み 大阪府枚方市茄子作3丁目

茄子作(なすづくり)は淀川に流れ込む天野川左岸の集落である。大阪には富田林くらいしか見るべき集落はないように思っていたが、このような集落がまだ生きていたことに驚かされた。茄子作とは珍しい地名と思い集落内にある図書館を訪ねたが詳しいことは判らず、かつては茄子を多く作っていおり、住民達がそう呼んでいたのが地名になったらしいことが判ったが、別説もあるようだ。古くは石清水八幡宮の支配下であり、江戸時代の元禄7年(1694)に京街道(東海道の延長路)の枚方宿への人馬の応援をする助郷集落に指定された。かつては酒造業、絞油業が盛んであったという。氏神である春日神社を中心に立派な古い民家が多く、中には大和棟の家、煙出しを持つ家、長い土塀がある家などが見られる。集落全体が古民家といった印象がある落ち着いた雰囲気の良い町並みである。 

 
2022.01.24