列島古建築紀行 第12回

  
写真・文 宮本和義
  撮影:2010.04

茅葺の倉 -岩瀬牧場玉蜀黍貯蔵庫- 福島県須賀川市前田川字草地 竣工/明治13年(1880)★市指定文化財

明治初期に宮内省御料局の開墾地として岩瀬郡鏡田村から前田川村の六軒原が開墾され、牧畜用農具や乳牛をオランダから輸入して欧州式大農経営が行われた。この時建てられた玉蜀黍貯蔵所で、高床式、格子壁、茅葺屋根の倉庫である。高床式であることは、小動物からの害を防ぐことと湿度の安定、風通しなどを考慮してのこと。草葺高床倉庫は他地にも残されてはいるが、東北で見た記憶がなかった。

 

 
2020.01.20