山口県

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瑠璃光寺五重塔 瑠璃光寺五重塔 洞春寺山門 洞春寺観音堂
山口市香山町7-1 山口市香山町7-1 山口市水の上町5-27 山口市水の上町5-27
竣工/嘉吉2年(1442/室町中期) 竣工/嘉吉2年(1442/室町中期) 竣工/(室町中期) 竣工/永享2年(1430/室町中期)
★国宝 ★国宝 ★国指定重要文化財 ★国指定重要文化財
現存する五重塔では全国5番目に古い。高さは31.2mで塔身は上層ほど低い。初層の丈が高く、二層目に廻縁、高欄がある。和様、唐様、天竺様の折衷様式。大正5年の修理のおり組物の斗に嘉吉二年と書かれた墨書が発見された。 この地に古く大内義弘が建立した香積寺があった。この五重塔も香積寺の遺物で、義弘の弟大内盛見が、義弘の菩提のために建立したという。室町時代のすぐれた建築の一つで、大内氏が隆盛時の大内文化を示す遺構である。 前後に控え柱のある四脚門で、屋根は切妻の桧皮葺き。この門は、大内盛見がこの場所に、1400年頃に開基となって建てた国清寺のもので、山門も同時期のものと考えられる。その後、国清寺は大火で焼失したが、山門は残った。 滝町に建てられた観音寺の仏殿で、観音寺は後に勝音寺~大通院と改称。幕末には衰退し観音堂だけが残り、傷みが進んだため大正4年に洞春寺に移築された。三間堂、入母屋造、銅板葺(元こけら葺)、裳階付、禅宗様。

 

龍福寺本堂 月輪寺薬師堂 旧野村家住宅 平清水八幡宮本殿
山口市大殿大路119 山口市徳池上村572 山口市下堅小路12 山口市吉田2244
竣工/文明11年(1479/室町中期) 竣工/文治5年(1189/鎌倉初期) 竣工/明治19年(1884) 竣工/室町前期
★国指定重要文化財 ★国指定重要文化財 ★国登録文化財 ★国指定重要文化財
明治14年に焼失したため郊外にある九興隆寺の釈迦堂を移築した。桁行7間だったが現堂は方5間に変わっている。入母屋造、桟瓦葺。太い柱が使用されている。 県下最古の木造建造物。桁行5間、梁間4間、寄棟造、茅葺。内部は内陣、外陣に分かれ内陣部は3間、2間、内陣に総円柱をたて三間通しの須弥壇が造られている。 酒造商家。旧萩街道に面し切妻造、瓦葺で屋根は二段になっており高い方は主屋、低い方は土間部分である。「にさんの蔵」(2間×3間)は山口地方での形式の土蔵。 建築手法から見て山口の神社内では最古と見られる本殿建築。三間社流造、向拝及び外陣、本殿の両側斗栱間の蟇股は輪郭だけの繰出しの一枚板で古風な造りである。

 

今八幡宮楼門 今八幡宮本殿 正八幡宮本殿 正八幡宮鐘楼
山口市八幡馬場22 山口市八幡馬場22 山口市秋穂西宮之旦337 山口市秋穂西宮之旦337
竣工/文亀3年(1503/室町後期) 竣工/文亀3年(1503/室町後期) 竣工/元文5年(1740/江戸中期) 竣工/元文5年(1740/江戸中期)
★国指定重要文化財 ★国指定重要文化財 ★国指定重要文化財 ★県指定文化財
山口市八幡馬場の今八幡宮境内に建つ。形式としては一間一戸楼門、屋根は入母屋造りで、正面に向拝がつき左右に翼廊がある。楼門が一般参詣者の拝殿ともなっていて、楼拝殿と呼ばれたりしている。 本殿は向拝を付した三間社流造りで、本殿、拝殿から楼門までを一直線上に連結させる構造。これは全国的にも山口地方だけに見られる独特な様式で、近郷にも見られるが当宮の建築年代が最も古い。 元文5年に藩主毛利宗弘によって建立された。山口市内に見られる独特な楼門及び庁屋をもち、同時代に建てられた本殿、拝殿がそろっており、山口県の近世神社建築の代表例として貴重なものである。 入母屋造りで、屋根は鉄板葺き、袴腰が付いている。袴腰の北側に戸を設け、2階の縁には跳高欄が付いている。簡素な建物である。本殿・拝殿・楼門及び丁屋と同時に建造されたことがわかる。

 

古熊(フルクマ)神社拝殿 八坂神社本殿 錦帯橋 旧加目田家住宅
山口市古熊1-10-3 山口市上堅小路100 岩国市岩国 岩国市横山2-6-31
竣工/(室町末期) 竣工/永正17年(1520/室町後期) 竣工/ 竣工/江戸後期
★国指定重要文化財 ★国指定重要文化財 ★国指定名勝 ★国指定重要文化財
桁行一間、梁間一間の楼門式、一間の向拝がつく建物で、屋根は入母屋造り、銅板葺である。左右に翼廊があり、桁行一間、梁間二間で、屋根は切妻となっている。建立年代は本殿より後、室町末期。 現在の本殿は永正17年に大内義興が再建した。元治元年、現在地に移築された。三間社流造、檜皮葺。本殿の及び向拝の斗栱には13個の変化に富んだ蟇股がある。正面蟇股には松竹梅の彫物がある。 全国的に名橋、奇橋として知られる木造5連アーチ橋。組木の技術による構造である。石積みの橋脚に太鼓橋がアーチ状に組まれた構造で、アーチ形状は巻金、鎹の有効活用によって実現されたもの。 中級武士の居宅。入母屋造、瓦筋葺。重ね合わせの桟を両側に持つ特殊な形の桟瓦は、両袖瓦という岩国地方独特の地瓦で、岩国瓦とよばれる。武家住宅には珍しい一部二階建である。

 

  
国森家住宅 古市・金屋の町並み 石城(イワキ)神社本殿 石城(イワキ)神社本殿
柳井市大字柳井津467 柳井市柳井津光市塩田 光市塩田
竣工/明和5年(1768/江戸中期) 竣工/江戸末期 竣工/文明元年(1496/室町後期) 竣工/文明元年(1496/室町後期)
★国指定重要文化財 ★伝統的建造物群保存地区 ★国指定重要文化財 ★国指定重要文化財
土蔵造、一階正面に「ぶちょう」と呼ばれる建具がはめられている。住宅の平面は西側に裏まで通じる土間、東側に縦に三室取り、奥に台所と座敷を横に並べる。厨子二階には二重梁式和小屋を組む。 瀬戸内海交易の要衝として、商家の残る町並みは柳井津でも早く開かれた旧町の西半分にあたり、本町通りの両側約200mの家並みと、このほぼ中央から南側の柳井川に通じる掛屋小路から成る。 正面入母屋造、背面切妻造、こけら葺。四周に縁を廻らせた春日造。社伝によると現在の本殿は文明元年に大内政弘が再建したものという。前面二間が外陣、後ろが内陣で一段高く構えられている。  

 

閼伽井坊多宝塔 花岡八幡宮随神門 花岡八幡宮拝殿 瑞松庵山門
下松市末武上400 下松市末武上400 下松市末武上400 下関市長府惣社町4-10
竣工/室町末期 竣工/明治42年(1909) 竣工/文化13年(1816) 竣工/昭和12年(1937)
★国指定重要文化財 ★国登録文化財
総高13.7m、請花が咲く水煙のついた相輪は多宝塔には珍しいものである。方三間、こけら葺。神社境内にあるのはかつては神仏混合だったためである。内部には金剛界大日如来が祀られている。 花岡は古くから旧山陽道の門前宿場町として大いに栄えてきた。宇佐八幡宮の分霊を歓請して祀られました。歓請の際に、一夜で山が花で覆われた伝説が残っていることから「花岡」と呼ばれた。 花岡八幡宮も江戸時代に於いては八幡宮寺として神仏混淆としていた。明治の廃仏毀釈のおり、多宝塔のある閼伽井坊のみ残された。拝殿は山口地方に見られる楼形式の2階建ての拝殿である。 瑞松庵は、船木地区にある曹洞宗の古刹。山門は一間楼門で、門の左右には袖壁が付随している。山門は、蔵重久兵衛が施主となり昭和12年に上棟したことが山門脇の石碑に刻まれている。

2020.06.21  21.01.18追加

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