5  西蓮寺仁王門
所在地 茨城県玉造町西蓮寺504
建立年代 1543(天文12年)
文化財指定    国指定   指定年月日 T6.4.5
建立年代の判定及び推定の根拠   墨書
創立来歴
 山号は尸羅度山曼珠院。天台宗に属し、寺伝では延暦元年(782)桓武天皇の勅願により、最澄の弟子最仙の開創という。本尊は薬師如来座像。行事では常行三昧会が有名である。以前は多くの露店が出て賑わった。境内には弘安10年(1287)元寇の役の戦没者を弔うため、比叡山の僧慶弁により建立された相輪棠(重要文化財)がある。
資料来歴
 昭和34年の解体修理時に発見された墨書により天文12年(1543)に小田氏に属する田中庄の棟梁・前島氏が手がけたことが判明した。
職人名    田中庄の番匠・前島飛騨守、鵜殿新五郎、円藤藤二郎
建築形式 単層八脚門  
組物   三手先
所見及び解説
 この門は桁行3間、梁間2間、単層八脚門で銅板葺きの現状であるが、軒が通常の腰組に多く使われるような三手先になっているところからも分かるように、もとは楼門形式であった。寛政年間(1789-97)に上層を撤去したという。八郷町の善光寺仁王門ときわめて類似した細部を持つ点が興味深い。柱間中央の中備えに用いられた蟇股は、足先のひれと肩に蓑のある、この時代特有の形式を持つ。頭貫の木鼻、蓑束、虹梁の形状などの細部も時代の特色をよく示している。

西蓮寺仁王門全景

仁王門組物の蟇股・虹梁

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