桜川八十八ヶ所巡拝
4月6日(8日目) 晴れ
土浦市飯田から矢作まで  

 平成16年春、初めて東福寺桜川八十八ヶ所巡拝に参加した。東福寺では毎年3月31日より4月8日まで10日間で弘法大師で有名な四国霊場八十八ヶ所を写した霊場巡りを開催している。朝、八時半に集まり、スタートが遠いところは車で現地まで移動し、近いところは歩いて巡拝する。この日は東福寺から近い土浦市飯田なので東福寺の大師堂でお経を読み、スタートした。
 歩いて約20分くらいのところに飯田の茅葺きのお堂が在った。お堂には東福寺を一緒に出た足の弱いお年寄り達がマイクロバスに乗って先に着いていた。大師様はお堂の脇にある小さな堂である。参加者全員でお経を読む。お経は懺悔文、開経偈、般若心経、光明真言、宗祖寳號、回向文を声を合わせて読む。次に参加しているお年寄りに声を合わせてご詠歌を詠う。
 次は飯田の集落の中に在る公民館に向かう。公民館の脇にひっそりと大師堂は在った。お経を読み、ご詠歌を詠った後、公民館に入った。公民館では地元の人達がご接待をしてくれる。四国では巡礼者を大切にする。自分の替わりに遍路をしてくれていると思うのだそうだ。今回参加して地元の人達もこのように感じているのだろう。
 飯田の次は土浦市虫掛である。桜川の橋を渡って柴沼醤油では醤油醸造用の木の樽を乾燥していた。桜川の堤防の下に大師堂がある。ここでは天気が良かったせいか大師堂の前にテーブルを置き、お接待をしてくれた。何処のお堂でもまず、お経を読み、ご詠歌を詠う。ご接待を受けた後には参加者全員で接待をしてくれた人に「お茶の礼」と云うご詠歌を詠う。
 また、ご接待に出してくれた稲荷寿司、おにぎり、お菓子等をすべて貰って行く。残さないのが礼儀なのだろう。 ご接待をしてくれた人に感謝して次に向かう。 次は土浦市佐野子である。佐野子の大師堂は虫掛の橋を渡って桜川の対岸に在る。ここも公民館の脇にお堂が在る。ここは元お寺が在った場所なのか、中に今は無い山門の斜視が在った。

 佐野子では婦人会の人が接待をしてくれた。東福寺のご住職はご接待の後、必ず接待をしてくれた人の前でお礼の法話をする。お寺さんと云うとお葬式だけの付き合いの所が多い。このように地元の人達と住職が仏様の話をして地元の人達と話し合えるのも楽しいと思う。

 宍塚の般若寺の大師堂は本堂の脇に在る門の外に在った。これまではお大師をお参りした後は次の矢作に向かっていたが今回は本堂でお向かいを受けた。般若寺には真言律宗で有名な西大寺叡尊の弟子源海(三村山の忍性と同弟)の勧進で鋳造した古鐘がある。この鐘を鋳造した鋳物師・丹治久友は東大寺・真言院吉野蔵王堂の鐘を作ったことで名高い。
 この日の最後は矢作町の集会所の裏にあった。巡拝した後、集会所で地元の方がお接待をしてくれた。これまでは老人会がお世話をしてくれたのだが老人会も高齢者が増えたため、今年から町会が世話をすることになったそうである。ここの接待の後、東福寺に戻り、今日の巡拝は終わった。
   
 
2004.5.24

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