007・瓦会の瓦塚遺跡

 市内瓦会にある瓦塚遺跡は、昭和127月に県の史跡に指定されています。ここは、常陸国分寺や尼寺を建立したときの屋根瓦を製造した遺跡です。

 昭和43年、周囲の山林を開墾しているときに、7基の窯跡(かまあと)が発見されました。発掘調査を行うと、窯は粘土質の地盤をくり抜いて作られた「地下式有段登窯」 であることが分かりました。また、布目瓦やレンガ状の磚(せん)なども多数出土しました。

 現在は、20を超える窯跡が確認されていて、その保存状態も良好です。古代の窯跡としては、国内有数のものとの評価も受けています。
 窯跡は、傾斜のある雑木林の中に点在しています。その中でも代表的なものは、フェンスで囲まれ屋根がかけられています。窯口が露出しているので、保存のためにそのようになっているのです。

 周囲を見渡すと、至るところに瓦の欠片が落ちています。布目がついていたり文様があったりと、千年以上前の印が残っています。

 ここで焼いた瓦を、大勢の人手を介して十数キロ離れた国分寺まで運んだのです。寺院に使う瓦は大きく重く、運搬はたいへんな重労働だったに違いありません。

 軒丸瓦には、蓮の文様が刻まれています。軒平瓦には、ペルシャの唐草が描かれています。傷つけないように、割らないように、丁寧に運ばなければなりませんでした。

 今はひっそりとした雑木林ですが、瓦を焼いた当時は何十もの煙が立ち上り、大勢の人々が往来したにぎやかな瓦工場だったのです。


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